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『銀花の蔵』(新潮社)発売中です。
大阪万博に沸く日本。
絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住む。
そこは、座敷童が出るという由緒ある醬油蔵だった。
数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく―。
銀花というのはごく普通の女の子です。
でも、いろいろと複雑な環境で育っていく。
彼女自身にはどうしようもない、理不尽に何度も直面するのです。
もし私がこの主人公だったら、かなりきついだろうな、と。
それでも、めげずに銀花は自分の意思で、家族と人生を選びます。
そんな物語です。
読み終えて、ああ、よかったな、としみじみ思っていただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
小説すばる5月号に『紅蓮の雪』第2回が掲載されております。
(前回のあらすじ)自殺した双子の姉、朱里の死の真相を探るため、伊吹は大衆演劇「鉢木座」を訪れる。
そこで、若座長の慈丹にスカウトされ入座することに。女形として初舞台を踏むのだった……。
今回、伊吹が直面するのは「お花」の問題です。大衆演劇といえば「お花」。いわゆるおひねり。
胸元にむき出しの一万円札を付けてもらうアレです。最初はびっくりしますよね。
あとは劇場を移る、怒濤の「乗り込み」について。それから、若座長の慈丹の熱血もポイントかと。
……と明るく前向きに物語が進むと見せて、伊吹の過去と問題が少しずつ明らかに……。
コロナの影響で小説すばるは次号休刊です。第3回はすこし先になりますが、どうぞお楽しみに